素直な人とイエスマンの違い
素直な人とイエスマンの違いについて考える機会があったので、自分なりの整理をメモとして記録します。誰かの参考になれば幸いです。
要約
- 素直な人は意図を理解しようとする
- イエスマンは行動を理解しようとする
- 反射的な人はメッセージを受け取らない
- イエスマンと素直な人の違いは2回目以降の行動に見られる
- 飲み込む方法、咀嚼具合などの違いは十人十色
- 大切なのは意図を理解しようとする姿勢
- 意図の発見は難しいが、相手を尊重し感謝する心があると見つけやすい
違いはどこに現れるのか
当然ですがこれらはすべて自論です。
三者はまず2つに分類されます。そして更に2つに分類されます。
三者の決定的な違いは相手のメッセージを受け取け取る姿勢に違いがあります。受け取る人、受け取らない人の違いは顕著ですが、素直な人とイエスマンの違いは一見するとほぼないと思います。ただし、中長期的な視点をもって二者を比較すると歴然とした差が見て取れるようになると理解しています。
イエスマンと素直な人の違いは他にもあると考えています。
イエスマンは行動を真似るため、2つ, 3つ, 4つ... といわれたら次々に行動を増やします。最初はぐんぐん成長しますが、しかし人間の体は一つですのでどうしても実行できる行動量には限りがあります。物理的制約を超えることは難しく、いずれキャパシティに到達した時点でどの行動を捨てどの行動を残すべきかの行動の取捨選択に迫られてしまい、成長スピードの鈍化、はたまた限界に到達してしまいます。
対して、素直な人は意図を理解します。意図とは行動ではなく情報です。情報には物理的制約がないのでどれだけ持っても重くなりません。とはいえ、脳のキャパシティを超えて持つことはできないのでどのみち限界がある、と思われるかもしれませんが、情報は抽象化と具体化を得て別の形に昇華させられます。エッセンスを残したまま形を変えることで、脳のキャパシティを一定に保てるため、また新たなメッセージを受け取れるバッファーを確保できます。これを無限に繰り返せるので素直な人はイエスマンと比較し中長期的な成長度合において大きなリードを保つことができます。
イエスマンが勝つとき
私は素直な人になることを推奨しており私自身もそうありたいと願っていますが、イエスマンに軍配が上がる場合もあると考えています。
イエスマンは行動をそのまま真似るため、いわれたことをすぐに行動に移します。すぐ行動できる人はごく限られた人だけであり、多くの成功者達は口を揃えて「今すぐ行動しましょう」といいます。それだけにすぐ行動できるスキルは強力です。
対して素直な人は言われたことを一度情報に変換し、更に情報を行動に再変換するためその分だけ初速が遅くなります。また必要に応じて情報の変形を行うなどするため、更にスピードは鈍化します。
素直な人は、成長スピードが一定で巨大な伸びしろを秘めていますが、スピードに関しては圧倒的にイエスマンに軍配が上がるでしょう。スタートダッシュを切りたいならイエスマンの方が優位だと考えています。ですので、素直な人がいつも正しいとは限らないと思います。"案ずるより産むが易し" です。
素直さは後天的
私は素直さとは意図的に高められる能力だと考えています。またイエスマンがもつ行動力も同様に意図的に高められる能力だと考えています。どうすれば素直さを引き上げることができるのか色々考えたのですが、恐らく相手を尊重し感謝する気持ちを持つことが、その近道ではないかと考えています。なぜそう思うのかを上手く言葉にできなくて不甲斐なさ感じますが、私は相手の意図を汲み取るベストプラクティスとして相手に対して尊重し感謝する気持ちが重要だと考えています。
BOFとは
「BOF」にも色々あるのでメモ書き程度ですが知っている範囲でまとめました。4パターンあります。
具体的にどのBOFを指しているのか分からない場合は、素直に話し手に確認しましょう。
例えば口頭コミュニケーションの際にコンテキストから推測できない場合でしたら、「すみません、確認になってしまいますがBOFとはどういったことでしょうか?」などといって一言確認すればよいでしょう。
■ BOF(ボフ、分科会)
Birds of a feather flock together(ボフ、同じ鳥の羽は一緒に群がる、類は友を呼ぶ)
特定分野について深堀りし、議論や親睦交流を目的とするインフォーマルなMTG。
本カンファレンス終了後の第二部として行われることが多い。
ネットワーク界隈はこの用語を使いがちな印象がある。
■ BOF(ボフ、バッファーオーバーフロー)
Buffer Over Flow(ボフ、バッファーオーバーフロー)
プログラムのバグ、および脆弱性の一種。
システムが確保したメモリ領域を超えて不正な書き込みが行われてしまうこと、またこのバグを利用したサイバー攻撃手法。Buffer Over Runと呼ばれるときもある
最も強力なサイバー攻撃の一種であるRCE(Remote code execution)の引き金になることがある。現在では様々な防御手法が開発されている。
■ BOF(ビーオーエフ、ファイル開始位置マーカー)
Beginning of file
コンピューターのファイルの内容・構造を示す言葉。
ファイルの先頭を示す目印
反対にファイルの終わりを示す目印をEOF(End of file)
Basic-Oxygen-Furnace
鋼を作る機械装置、転炉
製鉄工程(石炭 → 高炉 → 銑鉄 → 転炉 → 電気炉 → 鋳造)で用いられている。
■ 参考資料
* BOF (Birds Of a Feather) : https://www.atmarkit.co.jp/icd/root/24/2973424.html
* BOF
* 「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典 : https://wa3.i-3-i.info/word12528.html
* Waht We Do Basic Oxygen Furnace (BOF) : https://www.eng.nipponsteel.com/english/whatwedo/steelplants/steelmaking/basic_oxigen_furnace/
未知のふち 完全に理解したを図で示してみる
勉強すればするほど分からなくなる現象
つまり、学習したことで知っていることは確実に増えたが、同時に今まで見えていなかった箇所が見えてきたために分からないことが増えるような現象があります。
これがどういったことなのか、図を使って状況を可視化してみます。
■ 状態1
私達が知っていることは、全宇宙のモノゴトのほんのごく一部でしかありません。図では、中心に「知っていること」、外側に「未知」を示しています。
そして「知らないこと」を「知っていること」と「未知」の境界に示しています。
「知らないこと」があるという状態とは、「何が知らないのか分かっている状態」とも言いかえられます。なので境界面が「知らないこと」となります。
ここで、境界の更に外側のことについては、たしかに「知らないこと」ではありますが、この時点ではなにが知らないのかすらも分かっていないため、そもそもその場所にどれだけの知らないことが眠っているのかすら認識することができていません。なので外側については全くの未知であると言えます。
したがって私達が「知らないこと」と認識できるのは既知と未知の境界面だけということになります。勝手ですが、未知の端っこなので「未知のふち」と名付けます。ダジャレっぽく韻を踏んでいていいですね(笑)
■ 状態2
私達は日頃なにかを勉強します。勉強すると「知っていること」の円が広がります。すなわち、円が広がる程に「知っていること」が増えることになります。
しかし、円の直径が広がり円周が拡大したことで、境界面積も増えてしまいました。「知っていること」が増えたと同時に「知らないこと」も増えてしまったのです。「知っていること」は一切減少していませんが、「知らないこと」が増えてしまったため脳が混乱を起こしている状態です。
これがいわゆる「勉強すればするほど分からなくなる現象」の正体です。
この状態を指して、(特に理系学生は)「なにも分からん」と言ったりします。
一旦ここまでの説明を整理します。
- 「知らないこと」 → 「境界面積」
- 「境界面積」 → 「知っていること」の円周
- 勉強すればするほどに円は広がる
ここまでが「なにも分からん」の説明になります。
続けてこの図を使って「完全に理解した」を説明します。
■ 状態3
図は、ある特定分野にだけ特化して学習し知識を得た状態です。すると、円の特定部分だけ突然変異のように大きくなります。
特定分野に絞って効率的に学習したため、「知っていること」が一気に広がりましたが、同時に円周も一気に拡大しました。もはや円ではないので境界面積と呼びます。
学習をすればするほどに「知らないこと」が一気に増えてしまうため、徐々に自信とモチベーションを失っていきます。
■ 状態4
更に学習を続け「知っていること」を拡大させました。
「知っていること」は確実に増えていますが、同時に「知らないこと」も増えてしまい、更に自信を失っていきます。
この状態にまで来ると、鳴き声のように「なにも分からん」しか発言できなくなり周囲から新種のポケモンとして認知され始めます。合計種族値229 ナニモワカラン の誕生です。
■ 状態5-1
しかし、ここで面白いことが起きます。
2つの学習の間を補完するように学習したことで、未知と接する境界面が一気に減りました。
■ 状態5-2
未知と接する境界面が減少したことで「知らないこと」が「知っていること」に変化しました。
また。境界面積が一気に減ったことで、めちゃくちゃ理解した錯覚に陥ります。
これがいわゆる「完全に理解した」状態です。
このときは非常に機嫌が良いので、財布を無くしたふりをして食事に誘うと、まひるみキッスぐらいの確立でご飯をおごってくれます。
■ 状態6
しかし安息は束の間。状況は繰り返されます。
また新たな学習をによって「知っていること」「知らないこと」が拡大します。
こうなると、また「なにも分からん」しか発言できなくなります。
ここまでの流れをダニング・クルーガーの学習曲線に当てはめて考えると次のようになります。「なにも分からん」と「完全に理解した」を往来する様子が見て取れます。
■ まとめ
以上、勉強すればするほど分からなくなる現象の説明と、「なにも分からん」「完全に理解した」について説明しました。
無論ですが、これは完全に持論ですのでその点だけご了承ください。
勉強すればするほどに分からなくなる現象は、まじめに学習する人ほど陥りやすい現象だと思っています。一度この状態に陥ると、確実に成果は出ているにも関わらず、とても強い焦りを感じてしまいがちです。しかし、状態遷移を理解していると無駄に一喜一憂することが減り、結果としてメンタル維持にも繋がります。今回の話を頭の隅に置いておくと役立つかもしれません。
あと余談ですが、これは個人的な意見ですが、「なにも分からん」っていう発言は危険だったりすると思っています。この現象について理解がある人にいうならまだしも、これから学習を志す後輩に向けて言うと、「この人は勉強不足だ」「この人ぐらい勉強してもなにも分からないのだから別の道を探したほうがいいかもしれない」などの変な誤解を招く恐れがあると思っています。
「なにも分からん」と言うよりはもう少しオブラートに包むことも大切じゃないのかなと思っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。