evilgoririnのブログ

~無骨で狡猾な豚骨~

未知のふち 完全に理解したを図で示してみる

勉強すればするほど分からなくなる現象

つまり、学習したことで知っていることは確実に増えたが、同時に今まで見えていなかった箇所が見えてきたために分からないことが増えるような現象があります。

これがどういったことなのか、図を使って状況を可視化してみます。

 

 

 

■ 状態1

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私達が知っていることは、全宇宙のモノゴトのほんのごく一部でしかありません。図では、中心に「知っていること」、外側に「未知」を示しています。

そして「知らないこと」を「知っていること」と「未知」の境界に示しています。

「知らないこと」があるという状態とは、「何が知らないのか分かっている状態」とも言いかえられます。なので境界面が「知らないこと」となります。

ここで、境界の更に外側のことについては、たしかに「知らないこと」ではありますが、この時点ではなにが知らないのかすらも分かっていないため、そもそもその場所にどれだけの知らないことが眠っているのかすら認識することができていません。なので外側については全くの未知であると言えます。

したがって私達が「知らないこと」と認識できるのは既知と未知の境界面だけということになります。勝手ですが、未知の端っこなので「未知のふち」と名付けます。ダジャレっぽく韻を踏んでいていいですね(笑)

 

 

 

■ 状態2

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私達は日頃なにかを勉強します。勉強すると「知っていること」の円が広がります。すなわち、円が広がる程に「知っていること」が増えることになります。

しかし、円の直径が広がり円周が拡大したことで、境界面積も増えてしまいました。「知っていること」が増えたと同時に「知らないこと」も増えてしまったのです。「知っていること」は一切減少していませんが、「知らないこと」が増えてしまったため脳が混乱を起こしている状態です。

これがいわゆる「勉強すればするほど分からなくなる現象」の正体です。

この状態を指して、(特に理系学生は)「なにも分からん」と言ったりします。

 

一旦ここまでの説明を整理します。

  • 「知らないこと」 → 「境界面積」
  • 「境界面積」 → 「知っていること」の円周
  • 勉強すればするほどに円は広がる

 

ここまでが「なにも分からん」の説明になります。

続けてこの図を使って「完全に理解した」を説明します。

 

 

 

■ 状態3

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図は、ある特定分野にだけ特化して学習し知識を得た状態です。すると、円の特定部分だけ突然変異のように大きくなります。

特定分野に絞って効率的に学習したため、「知っていること」が一気に広がりましたが、同時に円周も一気に拡大しました。もはや円ではないので境界面積と呼びます。

学習をすればするほどに「知らないこと」が一気に増えてしまうため、徐々に自信とモチベーションを失っていきます。

 

 

 

■ 状態4

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更に学習を続け「知っていること」を拡大させました。

「知っていること」は確実に増えていますが、同時に「知らないこと」も増えてしまい、更に自信を失っていきます。

この状態にまで来ると、鳴き声のように「なにも分からん」しか発言できなくなり周囲から新種のポケモンとして認知され始めます。合計種族値229 ナニモワカラン の誕生です。

 

 

 

■ 状態5-1

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しかし、ここで面白いことが起きます。

2つの学習の間を補完するように学習したことで、未知と接する境界面が一気に減りました。

 

 

 

■ 状態5-2

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未知と接する境界面が減少したことで「知らないこと」が「知っていること」に変化しました。

また。境界面積が一気に減ったことで、めちゃくちゃ理解した錯覚に陥ります。

これがいわゆる「完全に理解した」状態です。

このときは非常に機嫌が良いので、財布を無くしたふりをして食事に誘うと、まひるみキッスぐらいの確立でご飯をおごってくれます。

 

 

 

■ 状態6

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しかし安息は束の間。状況は繰り返されます。

また新たな学習をによって「知っていること」「知らないこと」が拡大します。

こうなると、また「なにも分からん」しか発言できなくなります。

 

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ここまでの流れをダニング・クルーガーの学習曲線に当てはめて考えると次のようになります。「なにも分からん」と「完全に理解した」を往来する様子が見て取れます。

 

 

 

■ まとめ

以上、勉強すればするほど分からなくなる現象の説明と、「なにも分からん」「完全に理解した」について説明しました。

無論ですが、これは完全に持論ですのでその点だけご了承ください。

 

勉強すればするほどに分からなくなる現象は、まじめに学習する人ほど陥りやすい現象だと思っています。一度この状態に陥ると、確実に成果は出ているにも関わらず、とても強い焦りを感じてしまいがちです。しかし、状態遷移を理解していると無駄に一喜一憂することが減り、結果としてメンタル維持にも繋がります。今回の話を頭の隅に置いておくと役立つかもしれません。

 

あと余談ですが、これは個人的な意見ですが、「なにも分からん」っていう発言は危険だったりすると思っています。この現象について理解がある人にいうならまだしも、これから学習を志す後輩に向けて言うと、「この人は勉強不足だ」「この人ぐらい勉強してもなにも分からないのだから別の道を探したほうがいいかもしれない」などの変な誤解を招く恐れがあると思っています。

「なにも分からん」と言うよりはもう少しオブラートに包むことも大切じゃないのかなと思っています。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。